音楽

パームワイン・ミュージックとは? 夏にオススメのアフリカ酒場音楽

こんにちは、しおや(Shioyan_jp)です。

 

2017年7月15日(土)、”『Palmwine Music of Ghana』プレ・リリースパーティ ~深沢美樹とパームワイン・ミュージックを聴く~@渋谷Li-Po”に行ってきました!

8月末に渋谷のエル・スール・レコーズさんから発売される、『Palmwine Music of Ghana』というCDの発売記念リリースパーティです。

 

このイベントを通して完全にパームワイン・ミュージックにはまってしまいました。

「そもそもパームワイン・ミュージックってなに??」

っていうところからご紹介していきますね!

パームワイン・ミュージックってなに?

Photo by Sebastien Gabriel on Unsplash

 

ぼくは知りませんでしたが、100年以上も前に生まれた音楽スタイルでした。

18世紀後半から19世紀前半にかけて西アフリカのリベリアから海岸部を中心に広がった、歌とギター(+打楽器)のみのシンプルな酒場音楽で、

椰子酒を飲みながら楽しまれたことから、この名で呼ばれるようになったそうです。

 

何はともあれ聞いてもらうのが早いと思うので、まずはこちらからどうぞ。

西アフリカ・シエラレオネ出身で欧米でも活躍したパームワイン・ミュージックの代表的アーティスト、S.E.ロジーです。

ギターのアルペジオの軽やかな感じや、明るくてさわやかな曲調がいいですね!

夏っぽい〜

 

アフリカだともっと土臭くてリズムが強く打ち出されるイメージがあったんですが、パームワインは歌やギターが主役になっていますね。

ブラジルのボサノヴァとはまた違う、アフリカのサマーミュージックという感じです。

パームワインについて語る【『Palmwine Music of Ghana』発売イベント】

イベントは音楽評論家の深沢美樹さんが1930~1970年代頃のパームワイン関連の音源を紹介しながらその変遷と本質に迫り、エル・スール・レコーズ店主の原田さんがツッコミ(?)を入れるというかたちで進みました。

 

深沢さんの音楽知識と原田さんのユーモアセンス、ヴィンテージ・パームワイン・ミュージックが合わさって、だいぶリラックスした心地いいチルアウト空間になってました。

音楽好きなお客さんが集まって、平和な雰囲気〜

(『ポップ・アフリカ800 アフリカン・ミュージック・ディスク・ガイド』等の著者・萩原和也さんも聴衆側でいらっしゃいました!)

 

パームワイン・ミュージックの変遷

パームワイン・ミュージックは、アフリカ初のポピュラー音楽と言われています。

航海術に長けたクル人によって、19世紀から20世紀前半にかけて西アフリカの沿岸部を中心に広がった後、ハイライフ・ジュジュといった音楽ジャンルに発展していきます。

 

続いてガーナのハイライフ・キング E.T.MensahのAll for youを貼っておきます。

ハイライフもいいですよね。。

癒されます。

印象的だったのはパームワイン・ミュージックも結局、アメリカの文化の影響を受けているという話。

(19世紀にアメリカからの解放奴隷がリベリアやシエラレオネにアメリカの文化を持ち帰った為)

 

パームワイン・ミュージックは洗練されていて聴きやすいですが、アメリカのギターミュージックの影響を受けているからかもしれません。

ワールド系が好きな人はアメリカ音楽に飽きて流れて来た人が多いのに、

結局アフリカもアメリカの影響は受けているということで、なんだかすごく納得してしまいました。

純粋なパームワイン音源は、あんまりない

現代風のパームワイン・ミュージックはあっても、当時の、本当に酒場で演奏されていたようなヴィンテージ・パームワイン・ミュージックの音源はネット上でもなかなか見つからないです。

 

今回発売の『Palmwine Music of Ghana』は、そんな貴重なヴィンテージ・パームワイン・ミュージックを深沢美樹さんのSP盤コレクションからセレクトして初のCD化をしたものです。

素晴らしいコンセプトだと思います!

一般の人にも触れる機会ができるし、音源の保存にもなるし。。

 

イベント中に紹介された音源で、Greenwood Singers/All for youなど好みな音源も多かったのですが、帰ってからネットで探しても全然出てこなかったです。

貴重なイベントでした。

 

最後に、イベントでもかけられていたパームワイン界期待の若手Kyekyeku(チェチェク)を貼っておきます。

現代的なセンスで、気持ちよくパームワインしてます。

(『Higher Life on Palmwine』/Kyekyeku (2016)より)

こうやって新しい世代の感覚で解釈されるパームワイン・ミュージックも面白いですね。

まとめ : パームワイン・ミュージックは夏にぴったりのリラックス音楽

アフリカポピュラー音楽の基礎となりつつも、今聞いても新しいパームワイン・ミュージックを紹介しました。

暑くてだるい時は、家でパームワイン・ミュージックを聴きながらお酒を飲んでチルアウトしたいですね。

 

記事中で紹介した『Palmwine Music of Ghana』は、エル・スール・レコーズさんから発売中なのでチェックしてみてください。